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失恋船長 (2024-09-20 16:50:27)
韓流ドラマ

①餌
久しぶりに聴いた名前、チャン・グンソク主演の刑事ドラマ。全12話の投資詐欺事件を扱うお話。
ちんけな金貸しが、金を貸している裏ゲーム屋の社長に紹介されマルチ商法の説明会に出かける。すぐにカラクリが分かり、ちんけな金貸しは借金相手の社長にキレる、しかし社長の提案は騙されたふりをして、マルチ商法の大元を騙そうと詐欺話を持ちかける。
そして、逆に騙され財産を失う事件が物語の発端。ちんけな金貸しは警察に訴えるも、90年代の韓国では詐欺を扱う部署がないらしく、刑事にとっては殺人事件の解決は査定に+されるが、詐欺は逮捕しても意味がないという、本当なら恐ろしい話だが、警察はちんけな金貸しに、こう言い放つ。騙される方が悪い。違法な投資話に乗せられる人間が悪い。これが刑事の感情であり、多くの人々の感想だ。

復讐に燃える金貸し、騙される方が悪いなら騙してやる。そして数年後、自分を騙したマルチを見つけとうとうリベンジ。そして彼はマルチの大元も味方につけ、大物政治家をも手なずけ一代詐欺組織を作り上げる。というお話。

この物語は過去と現在が交差しながら話が進み。ちょっと目を離したり、登場人物の顔を覚えていないと話に付いていけなくなる。チャングンソクもヒゲ面で、かつてのカワイイ路線では勝負していない。甘さを捨て過去に陰りのある刑事を熱演しているが、この物語は詐欺をテーマに扱っている。そして殺人よりも軽視される詐欺だが、それに巻き込まれた人物は、殺人に等しい苦しみを味わい。生きている。

詐欺も殺人事件と同様だという理解と見解。そして物語は大きな展開を見せクライマックスへと向かう。
最終回はイマイチ盛り上がりに欠けた面はあるが、全12話まずまず見ることが出来た。普段は意識してみない韓流ドラマ。
今回はたまたま見てしまったのだが、投資詐欺のカラクリ。日本でも幾度となく報道されるも一向に減らない。

子供の頃ワイドショーでみた荒っぽい詐欺。ワタクシが大人になり、流石にそういう手口は影を潜めたと思っていたが、今は逆に昭和的な手法が復活している。良く行くビルの中にあるフードコートでは、連日、詐欺を働いている若者を見る。あれは完全な投資詐欺だ。
そんなウマイ儲け話はないが、あの若者達は美男美女のコンビに言いくるめられるのだろう。

詐欺に遭う方が悪い。という感覚、騙す方が悪いのだが、このドラマでもそこがフィーチャーされているのがポイント。詐欺被害者の苦しみ。マルチは、紹介方法だから、紹介した人物が責められる。ネズミ講は今でも姿形を変え健在だ。豊田商事の残党は今でも生きている。

最後に、このドラマで語られるのは詐欺の種類だ。今やSNSを通じて人々は簡単に嘘をつく。写真の修正加工もあるいみ詐欺だ。年齢詐称に経歴詐称も同様に詐欺だと語られる。細分化すれば100種類以上の詐欺があると、物語は締めくくる。

確かに我々の身近にも詐欺はいる。複数アカウントがそうであろう。他人になりすまし投稿を繰り返す詐欺的志向。その詐欺師が投資詐欺にあうのだから世も末だ。バカを治す薬はない。詐欺に遭っても複数アカウントは止められない。この世で一番恐ろしい話である。
そしてこんなに虚しい人間は哀れであろう、しかし、同情は出来ない。詐欺は詐欺。どこまで言っても詐欺。その思考が直らない限り何度でも詐欺に遭うだろう。

ワタクシの愛すべき同僚に、底抜けなバカがいた。ガラケー時代、良くパチンコ必勝法みたいのが届いていた。彼はこういった、20万円で教えますは嘘だが、60万円の方は本当だ。そして金を払ったらしい、ホンモノのバカである。愛すべきバカである。
笑い話にもならない伝説だが、ワタクシは必ず、この話を新人達に話す。詐欺にあった事が本質では無い。なぜ、自分にそんなうまい話が飛び込んできたのか?それをおかしいと思える人間になれと。それにしてもフードコートで連日の投資詐欺。警察は何をやっているのだろう?

このドラマを見てふと、世の中の哀れみを垣間見た。

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